団派と太子党、上海閥のせめぎ合い

前の首相、温家宝は、団派だった。

温家宝は政治改革を試みたが、結局最後は太子党、上海閥に様々な嫌がらせを受け、メンツをつぶされた形で首相を次に引き継がざるを得なかった。

温家宝に対する嫌がらせは、情報を上げずに情報不足に陥らせる、または誤報を与え判断を誤らせ恥をかかせる、といったやり方だ。

一つのケースは 日本の尖閣国有化に反対したこと。おそらく対日で弱腰だ、日本が国有化するのは、日本の尖閣固定化戦略と脅かされ急に反対を唱え始める。 日本政府側の事情を理解できていない状態で 突き上げを食らい、結局日本に国有化をやめてほしいと言う羽目になった。日本政府が、通知していたにもかかわらず、そう追い込まれたのは、事情が伝わっていなかった、あるいは、この件についてはパシリの仕事しかできなかった、というのが正しい。

もう一つのケースは 人民解放軍がステルスを初飛行させた時。当時合衆国国防長官が訪中していたが 温家宝との会談で、国防長官がこの議題をあげたところ、驚いたような反応だったとのことで、人民解放軍が行ったステルス・テスト飛行について 温家宝は知らされていなかったことがわかった

その後も、地震救援の際などで、海外からの救援を歓迎した温家宝には厳しい環境が続いたが、新幹線事故の時から潮目が変わる。人民解放軍の血を引く鉄道省と公安を握る周が 車両を埋めるという暴挙で 強引に事件をもみ消そうとしたが、結局世界中の笑いものになってしまい、自体の沈静化のために温家宝が一週間遅れで登場することになった。

一週間の間、周と上海閥に露出を抑えられていた温は、突然現場に登場し、世界の笑いものに発展した新幹線事故の沈静化、具体的に言うと共産党や鉄道部への民衆の反感を ソフトなメディアコントロールで、劉個人への非難に収束させることに成功。

この事件を契機に鉄道省への人民解放軍の影響力は落ち、劉鉄道部部長は、共産党籍を剥奪され、収賄で逮捕されることになる。ここから団派の逆襲が始まる。

その後、温家宝の親族が巨額の蓄財をしているという情報を、外国メディアにリークして、簿と上海閥が、団派に抵抗は見せるものの、団派は 習近平に「収賄する共産党員は、共産党の危機を招いている」と言わせ反撃し、王立軍領事館駆け込み事件、谷開来裁判、薄熙来裁判、周元常務委員に対する調査、中国石油トップ数名の調査と、上海閥を追い詰めてきた。

習近平は、上海閥と団派の妥協の産物である。本来なら、団派の言いなりでなく、上海閥の側にも立たないといけないのだが、今の団派の勢いはとめられないので、団派の言うとおり振舞っている。 彼は自分の不正が明るみに出ないうちに、この不正摘発の流れが止まるのを頭を低くして待っているのだ。自分が安泰なら団派、上海閥、どちらでもいい。そこで薄熙来を切り捨てた。

それを許さないのが、薄熙来と周永康だ。薄熙来が周永康を巻き込んだのは 周永康に習近平政権に対するアクションをとらせるためである。周永康は 裁判を受ける際には、習近平のスキャンダルを明るみに出すぞと共産党を脅す。 そういう背景があるので、周永康の裁判は、大分先になる可能性もあるし、習近平によって 裁判を開かず闇に葬られる可能性も残っている。

ここまでの行動を見る限り、団派は比較的合理的な判断をする。ところが今の共産党には上海閥と同じように利権にたかる党員が多い。これらの党員が、自分たちへの大衆の不満を他国への攻撃へのパワーにすり替えている。

尖閣諸島の問題は、団派が主導権を持つと緩和される。上海閥が残っている間は、対日強硬姿勢は変わらない。安倍首相が中国主席と話ができるかどうか、は 団派がどこまで、上海閥を掃除できるかにかかっている。
少なくとも今後も大量の裁判を進め、死刑判決の量産が必要になるので最低1-2年はかかるだろう。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック