共産党内の勢力争いと汚職、不正蓄財

今回は、共産党内でどんな勢力争いがあるのか。それと汚職 不正蓄財にどうかかわっているのか、について書いてみよう。

共産党には、江沢民に代表される上海閥、胡錦濤が出た 団派と言われる共産党青年団出身者グループ、習近平も含まれる太子党と言われる共産党指導者の2世集団、あわせて三つの派閥があるといわれる。(Wikipediaによる)

それぞれの特徴として偏見を恐れずに述べると
1)上海閥は、利益を同じくする集団で、金儲け、出世に貪欲、相手を陥れることも平気、賄賂を平気で取るし、閥をつくって自分たちの閥以外の党員を攻撃することも平気。日本と敵対的な態度もこの派閥が仕掛けている。金が絡むため、派閥統制は厳しい

2)団派は、勉強家が多く、国費留学で海外で勉強した秀才がいる。数千万という共産党員の中で若いときから鍛えられたエリート集団。もっとも合理的な行動をする。

3)太子党には、人民解放軍出身者が多く、派閥統制も厳しい。ただし 太子派が純粋な派閥かというと、そうもいえない。薄煕来は、太子党だが最後まで庇い続けたのは 江沢民。
毛沢東の威光を使うことも多い。薄煕来が重慶でおこなった昔の革命歌を歌うキャンペーンはその典型

ちなみに名前に「軍」の字を入れてある人物は、解放軍出身、あるいは父親が解放軍である。(戸籍名も変えられるかどうかはわからないが、中国では通常使う名前を自分で改名できる。)

昨年11月 国家主席が習近平に正式決定となったが、上海閥の江沢民は 以前から 薄煕来を、次期国家主席として推薦していた。ところが、薄煕来の腹心の部下である王立軍のアメリカ駐重慶領事館駆込み事件後、薄煕来の不正が明るみに出たため 胡錦濤は薄煕来を国家主席とすることを拒否、やむなく江沢民は、習近平を指名した。(しかし今度は薄煕来の処分をめぐり習近平・胡錦濤が 厳罰を主張、タッグを組んだように見える。)これから見ると 対立しているのは、団派と上海閥で、太子党はそのどちらかと組んで勢力を伸ばしているように見える。

この辺りから、メディアを使って 相手の弱みを突く、あるいは、相手を陥れる派閥抗争が始まりだした。

江沢民は、薄煕来と妻を執行猶予付きの死刑ですませ、他のものに罪状が及ばないように穏便に済ませようとしている。そのために薄煕来の妻 谷開来は、法廷で恭順の態度を示し、あっという間に結審した。薄煕来の裁判は一度雲南省の昆明で行うという情報が出てジャーナリストが殺到したが、実はまだ、江沢民と胡錦濤の駆け引きの対象になっていた。

薄煕来は共産党籍を剥奪され、裁判に掛けられることになったが、中国の裁判は開廷される地域が、どの派閥の影響下にあるかによって判決が大きく変わる。中国の裁判所は、あくまでも共産党の支配下にあるから、その地域の共産党書記の意見が判決に反映される。

噂のでた 昆明の省委書記は、毛沢東や劉少奇などの共産党の第一世代を排出している湖南省から来ていることから、薄煕来に同情的な太子党の影響下だった可能性がある。 

薄煕来の裁判を山東省の済南で行うと発表があったが、これは、江沢民の出身地である江蘇省に最も近い山東省の大きな都市だ。 江蘇省の共産党委員は、江沢民をトップとするヒエラルキーの元、賄賂漬けだから、薄煕来が軽い判決ですめば、それより金額が小さい地方の共産党員の罪はもっと軽くなると考えれば厳罰には処さない。おまけに薄煕来の起訴された汚職額は4億円と噂より2桁小さくなった。


薄煕来が逮捕された後 
1)温家宝の親族が2,140億円の蓄財をしているというニューヨークタイムズへのリーク
2)賄賂を受け取り海外に不正蓄財している共産党員の渡航禁止とパスポートの取り上げ
3)賄賂はなくならない、耐えられない金額以外は、慣れるべきだ、という人民日報の報道
4)共産党幹部は、子女を海外に移住させてはいけない、留学の場合は卒業後 1年以内に帰国しないといけない

と表向きは、汚職禁止の取り締まりが出たが、実は、1)、2)は江沢民から団派への攻撃と太子党への締め付けだ。

その後、習近平が腐敗撲滅キャンペーを始めたこともあり、汚職の密告が頻繁に出て」、政府も取り締まりをせざるを得なくなったが、海外に子女を留学させ、愛人を住まわせている官僚に対し、人民解放軍の幹部は同じように金を持っていながら、頻繁には海外に出ることができないため、不公平感が募りつつある。


人民解放軍は、実は海外に拠点をもつものが少ないため、国内投資が殆ど、それも欲をかいて投資プラットフォームに金を預けている可能性がある。投資プラットフォームが不良資産となり、金が回収できなければ、人民解放軍は、自分の親分である習近平を見限り、党のコントロールを離れて海外ともめ事を起こすくらいの暴走はありだ。

その投資プラットフォーム、2週間前に李首相が厳しい金融政策をとり、実質利上げとなったが、その後慌てて、利下げされるように金融を緩めた。これだけでも厳しいメッセージであり、いま、人民解放軍ではプラットフォ-ムからの資金引き揚げが始まっている。


最近は発展改革委員会の副局長が汚職で捕まったが、その際に複数のパスポートが発見されている。
捕まっては堪らないと、複数のパスポートを持っていて、簡単に出国できる他の役人はぞくぞく逃げ始めている。
すでに3人の高級地方幹部が行方不明。

最近江沢民が、習をおだてるコメント出したが、そうでもしないと習が持たなくなっている。このまま行くと最悪のシナリオは、プラットフォームは資金回収できず、投資で焦げ付いた人民解放軍は 中央政府に殴り込みをかけるかもしれない。実力者は逮捕されるか、海外逃亡しかない。その時の民衆への呼び掛けは、「倒せ、腐敗した共産党」になる。それなら成功間違いない。


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