共産党の収入

共産党は どのようなところから収入を得ているのか、また共産党に属する共産党員の給料は誰が支払っているのか。

共産党の中の浪費家は人民解放軍だ。この二つの関係を説明するためにその生い立ちに簡単に触れる。

人民解放軍は、非正規戦(ゲリラ戦)を前提に設計されている。人民解放軍は、誕生したときから共産党のためであって、政府が作ったわけではない。政府でなく 共産党にお金を出してもらって、それを装備や人に投入してきた歴史がある。また、自力更生という言葉もある。共産党に頼らないで自分たちで収入を得る活動で、これは90年代からしきりに言われている。

もともと 人民解放軍は 戦争が始まれば、占領地で、自活することも求められるから 自分たちで収入源を得て、自分たちで装備を生産し、自分たちで戦っていくことができる権限を持っている。現在の7つの解放軍 軍区は、独自に装備を開発し、あるいは購入することができるから、中国の解放軍は世界で最も多い、3000種類とも言われる異なる規格の銃器があるといわれる。

人民解放軍は、企業を運営 / 所有できる。これも自力更生の為に与えられた権能である。ホテル、商店、自動車整備工場、ビル賃貸などの不動産、カラオケ/レストラン、建設業、自動車/飛行機製造業、銃器・軍服製造、大学/専門学校、ソフト会社、携帯機器製造、通信業者 など、軍装備と軍人に絡む業種には、かならず出資(技術導入が必要なときは合弁、合弁が必要ないときは100%出資)、運営している(*1)。

最近の例では、鉄道省や、鉄道用信号ソフトの会社もその一例である。また その企業に対しマネージメント層、技術者を派遣したり、土地、設備、資金を提供、企業からは 配当、土地などの賃借料、派遣者の給料を受け取る。(派遣者には人民解放軍より給与がでる。そこに差額があれば、それも解放軍の利益となる。ただ、派遣先での名目上の給料は、月給一万元-二万元と有り得ない低さだ。)これらの企業活動は、90年代に軍の大幅な近代化で整理された要員の再就職先、受け皿ともなっていた。

現在は、もちろん、国家予算からでている軍事費用もあるが、それは全体の一部である。表に表れない軍事費を含めたすべての軍事費は、公表されている軍事費の1.5倍という説もある。或いは2-3倍という説もあり、正確にはわからない。

人民解放軍はBMW, Audi, Land Roverなどの高級車を公用車として使用していることで有名である。最近は、公用車購入を排気量1.8リットル以下とする制限が出ているにも拘わらず、新しい番号が人民解放軍の高級車に発給されており、潤沢な資金源があることがわかる。


共産党の資金源でまず挙げられるのが工会である。工会は日本の労働組合に比定され 建前上は従業員の意思で設立されるが、実際は民主的な手段で選ばれた組織ではなく、共産党の下部組織で、企業内に存在し従業員の賃金の2%以上を企業から受け取り活動に充てている。主な活動は、福利厚生、リクリエーション、などだが、一定の金額は、共産党に納めている。(*2)

工会は、従業員が設立を要望した場合、妨げてはいけない、となっているが、政府は特に外国資本の企業で設立を奨励している。また工会の役割として、企業でストライキ(非合法)が発生した場合に「従業員の提出する解決可能な合理的要求を協議し、正常な生産秩序を早期に回復させなければならない」としているので、工会の設立は、いい事尽くめに聞こえるが 実際は賃金アップを餌に(企業外部の)共産党員(従業員ではない人間がストライキを先導している写真あり)が従業員を煽り ストライキを起こして、工会がそれを収束させるというケースがある。

共産党は、行政団体や国有企業にマネージメントを派遣している。国有企業には共産党員を通じて出資もしている。その結果、行政団体、国有企業から共産党へ、1)共産党系の企業からの購入、2)出資者である共産党員への配当・還元、3)新規株の発行による利益移転 などと通じて、表に出ない金の流れがある。そのあと、共産党員からは党に還元することになるが、これらの金の流れは、外からはほとんどわからない。

実は、共産党員は、一般の法律に服さない。法理論上は服すのだが、党が行政、司法、立法を指導するので、不文律により、不逮捕になっている。たとえば人民解放軍の公用車は駐車禁止場所でも長時間駐車できるし、共産党員のひき逃げは、犯人が見つかっても名前も公表されない。

それゆえ共産党員が共産党に上納すべきお金を入手し それを共産党員が一部着服し、残ったお金のみを上納したとしても 刑法で裁くことはできない。共産党だけが共産党員を党籍剥奪などで裁くことができる。共産党は いわば中国の中の治外法権である。不逮捕なので、パスポートさえあれば、悪事が露見してから海外逃亡も間に合う。

共産党員は 共産党からしか裁かれない場合、不正蓄財に励む連中は、共産党の上司にも同じように不正なお金が流れるようにして、自分が摘発されたときには庇ってもらえるようにする。上司の中には 実際に不正資金を取得していなくても 名前を貸してしまった場合は、外形上資金が流れているように見えることもある。昨年10月の温家宝のケースがそれだ。

次は、共産党内の勢力争いと最近の汚職摘発の動きについて述べる



*1 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%B0%91%E8%A7%A3%E6%94%BE%E8%BB%8D
*2 http://www.chinabusiness-headline.com/2012/01/20325/
http://www.chainavi.cn/shanghai/blog.html?sid=17648

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